楽園喪失

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感謝の映画感想

昭和天皇物語という漫画がめちゃくちゃ面白くて…という話を人にしていたら、日本の一番長い日という映画を教えて頂けて、そしてそれが最高だったという感想のブログです ついでに日記

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ちなみに2015年版を観ました

人間ドラマとしての映画感想のため、これといった思想もなく知識などはバブちゃんですのでそのように…

 

もともと大正ロマンが好きで、そこから戦前までの生活文化とか初心者向けの開戦までの色々を読んだりしていたのですが、

丁度去年に最後の御前会議周辺のハフポストの終戦まで日付ごとに追っていく記事を見て、

【戦後70年】まだソ連に望みを託す日本 1945年8月8日はこんな日だった | ハフポスト

御前会議の内容を振り返ったものも見て、

史料紹介―最後の御前会議における昭和天皇御発言全記録 | チャンネルNippon

ウワーーッッッッもっと見たい!!!!と思ったところだったので、こんなタイミングで教えてもらえることがありますか?(ありました…)

 

この映画、ここ数年で読んだ本の情報が全部情緒になってやってきたという感じで本当に最高でした、進研ゼミでみた!

間に解説セリフなどが入らないので、生きている人達の様々な事柄として観ることが出来て、これが空想の物語でも真偽が不確かな古代の歴史なのでもなく、ほんの数十年前に起きたことだということが良く分かり大変ワッと来ました

 

本では実感しきれない部分が映像になることで(これも元は書籍みたいなので適切なアレじゃないかもしれないけど)、世界の動きによって国内も決定も変わっていくということだけでなく、役職のある一人一人にも希望や理想、共に過ごしたい人々や過去の経験から続く生活があって、それをもとにして社会での立場としての在り方があり、思惑があるんだよなあと思いました

(思惑ということが、自分の中では漠然と「所属する組織の利益が個人の思惑」なイメージになっていたので)

 

主人公というか主軸に、陸軍大臣とクーデターの一員の少佐が描かれていたのが凄く良くて、どちらも初心者向け解説系の本を読むだけではどうしても、役職として・組織として・時代のその立場の人としてのイメージになるんですけど、それがメイン人物として描かれることで、それぞれが一人の人間として存在していた

 

残っている武器を紹介されてる首相が「まともな武器はもう残ってないんだね」と呟く場面で、同時に(本土決戦になったとしても訓練された軍人にはつうじる訳の無い)婦女子の竹槍訓練が映されるところ、もう全て終わってしまってるんだな…というのを絶対に観客に伝えるという見せ方が、後半のクーデターでの畑中らの悔しい気持ちにも効いてきて辛い

 

また、その後(か前?)に、東条さんがあちこちを鼓舞してまわっているというところでも、陛下と侍従がヒメジョオンを抜いて手入れをしているシーン、「国内固有の種は上手に調和しますが外来種は繁殖力が強うございますね」という旨のセリフをここに差し込むのも、もうこの国がこのままでは斜陽なことを示唆する演出な気がして、鼓舞されて盛り上がる若者たちとの対比に、後半に向けての着々とした下準備を感じる

 

徹底抗戦に関しては中堅の人達の思いが凄く強かったそうだけど、もう勝ち目の無いことを受け入れられない、経験も多く優秀な階級が上の人と比べて、国体護持のための先を見る力という点について…ということだけではなく、ここにも願いと希望と国を思う気持ちがめちゃくちゃにあってのことだったんだよなあとハッとしました

どうなってしまうのか、確たる安心が何もない降伏ですもんなあ…

 

当時の一般人の写真や日記が公開されるなどして、我々と同じ悩みや喜び・表情を見て同じ人間なんだな~と感じることも多々あるけども、やっぱり戦前戦時と現在、しかも当時は一般人と華族でも価値観や生き方が全然違うような社会のつくりなので、この辺りのことを感情的に見る場合は当時の人の感覚で見なければならないと思うのですが、この映画、過ぎ去った歴史の中の一コマとして沢山の資料と結果を用意して遠く離れた場所から見てこの判断が…という立場としてではなく、観ている自分も含めた全てが、渦中の人として観られるようになっていたということが凄く良かった

その割にはわざとらしい涙頂戴の演出も無く、ただただ人間達がそこに在るので、なんというか塩梅が非常に良かったと思いました

 

でも解説が無いのが良かったのではあるけど、ここ数年色々読んで知ってたからサイコーと思えたところが多々あり、例えるとメギド72の本編で何気なくみたものが、キャラストを見ることで意味を知るみたいなのが割と全編だったので、読んでおいて本当に良かったと思いました

 

サイコ~~~な映画を教えてくれてありがとうございました~~~ッッッッッッLove……

 

読んでおいて良かったな~と思ったやつ以下に…生活を感じるのが好きな人にとっては多分全部面白いので是非…

 

■戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗(加藤 陽子)

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■それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤 陽子)

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華族令嬢たちの大正・昭和(華族史料研究会)

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■「月給100円サラリーマン」の時代: 戦前日本の〈普通〉の生活( 岩瀬 彰) 

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